CAREER RECRUIT
Interview

ITの力で社会のよろこびを創造する。CSV先進企業のキリングループで働くやりがいとは?

部門長 山本 直毅 さん
サムネイル

CSV推進企業としてのキリングループ

インタビュアー
今回は、CSV先進企業としてのキリングループや、その中でキリンビジネスシステム(以下KBS)が果たしている役割について探るべく、経営管理部の小沢さんにインタビューします。
山本さん
よろしくお願いします。
インタビュアー
早速ですがCSVとは何でしょうか?
山本さん
CSVはCreating Shared Valueの略で、和訳すると「共通価値の創造」となります。もう少し噛み砕くと、企業の事業を通じて社会的な課題を解決することから生まれる「社会価値」と「企業価値」を両立させようとする試みのことです。 CSRやSDGsとも混同されやすいのですが、CSRはCorporate Social Responsibilityの略で、和訳すると「企業の社会的責任」。企業が社会に対してどのような慈善活動や市民活動を行っているかについて説明をし信頼を得ることが目的であり、利益は後からついてくるものと考えるのが一般的です。 一方で、CSVは「社会が抱える問題をビジネスチャンスと捉え、社会問題を解決すると同時に企業の利益も上げることを目指す」攻めの姿勢です。 CSVがSDGsと近い文脈で語られることが多い背景には、企業が取り組む社会課題の中にはSDGsとして掲げられているものも多いからではないかなと思います。
記事内画像
インタビュアー
キリングループがCSV先進企業であるというのはどういうことでしょうか?
山本さん
キリンホールディングスのHPにも掲載されている通り、キリングループは2011年の東日本大震災をきっかけにCSVに取り組み、2013年には日本で初めてCSVを名称に冠した部門を設立しています。この情報だけでも、日本国内でいち早くCSVに取り組んだ企業の1社であり、かつ本気度が非常に高い企業であることが伝わるかと思いますがきっかけや根底にある価値観などについてもう少し語らせてください。
山本さん
2011年の東日本大震災で何があったかというと、キリンビール仙台工場が地震と津波の影響で大きな被害を受けました。復旧の目処もなかなか立たず、一時は仙台からの工場撤退の声も上がったのですが、懸命な努力によって仙台工場は同年11月に操業を再開しました。
山本さん
この経験で得た学びは、仙台工場の復興のように「事業を通じて」直接社会課題にアプローチすることが重要で、CSRのようにただ寄付や市民活動をするだけでは不十分である、ということです。
山本さん
この様な思いからキリングループでは2013年にCSV本部を立ち上げ、「社会課題に対して、商品やサービス等を通じてアプローチすることで結果として事業にもプラスの影響をもたらしていく」という意思決定をしました。
山本さん
ただ、キリングループがCSVという言葉を使う前から実は社会貢献と事業の両立を目指していたのかなと思っていて。例えば、1981年に策定された「長期経営ビジョン」ではライフサイエンス事業(現:医薬事業)に新規参入することを決めています。医薬事業への新規参入は、ただ事業の多角化を目指したわけではなく、経済的なリターンを意識しない慈善活動を始めたわけでもなく、高齢化という社会課題の解決に貢献することを目的に、ビール事業で培った発酵・培養技術を、バイオテクノロジーによる医薬開発に転用する、という経営戦略でした。
山本さん
ではなぜこの様な戦略を時代に先駆けて行うことができたのか。 それはキリングループのベースの価値観として「生への畏敬」があるからではないかと思います。 最高においしいビールを造るには、農産物や酵母の潜在力を最大に引き出し、生命の力を謙虚に学ばなければならない。そして、動植物も微生物も全てが相互に関連し合っている以上、自分の利益だけを追求していては持続的な未来は望めない。この様な姿勢が今のCSV重視の経営につながっているのではないかと思います。
インタビュアー
例えば、どの様な社会課題に対して事業を行っているのですか?
山本さん
飲酒運転による交通事故の多発という社会問題に対して、世界初のノンアルコールビールを開発し、発売したのはキリングループです。また、環境負担の軽減を図るために、物流において集荷する商品をできるだけ集約し、飲料を作る時もできる限り再生可能な素材を用いることで、CO2排出削減とコスト削減を行っています。「世の中に対して酒類メーカーとしての責任を果たしていきたい」という思いが強いことが、CSV注力につながっているのではないかと思っております。
記事内画像

KBSにとっての「社会課題の解決」とは?

インタビュアー
CSV推進に対して、KBSはどのように関わっていけるのでしょうか?
山本さん
KBSはキリンホールディングス全体の事業活動におけるCSV推進をITの側面で様々な形で支援しており、今回は3つ紹介できればと思います。
山本さん
1つ目は、医領域との協働推進について、システムの機能統合PJを通じてグループ会社間のシナジーを生み出すことができるように支援しております。
山本さん
2つ目は、物流業界の人材不足という社会問題に対しては、飲料の製造販売を行っているキリングループも密接に関わっています。そこで、ITの力で工場内での配送の効率化を行うなど、ドライバーさんの待機時間の短縮化を実現した例が過去にございます。
山本さん
3つ目は、従業員エンゲージメントスコア向上について、ここは直接システム開発というよりは組織づくりに関わる部分ですが、キリングループ全体やグループ各社では毎年スコア目標を掲げて施策を展開し、1年後には施策の振り返りや翌年度の目標設定へ繋げてPDCAを回すなど力を入れております。例えば2024年度のKBS の取り組みとしては、業務効率化の側面から「無駄な作業を見極め思い切ってやめること」「伝える力を鍛えコミュニケーションコストを下げること」を意識しながらエンゲージメントスコア向上を目指しています。
山本さん
KBSがビジョンとしている「キリン×ITで社会・お客様・働く仲間のよろこびを創造する企業になります」はKBSの社員が作ったものですが、このビジョンにもCSVを重要視する姿勢が反映されています。「誰のよろこびを創造するか」についてですが、まずは社会、その次にお客さま、そして一緒に働く仲間と外から内に向かうベクトルとなっています。 私としても、常に社会を意識した行動をKBS社員には期待しています。
インタビュアー
そもそも、CSVやSDGsのような「社会課題の解決」に取り組んでいるかどうかは、働く人にとっても大事なのでしょうか?
山本さん
確実に大事であると断言できます。
山本さん
おそらく、社会人になりたての頃は、仕事の目的が「成長」や「スキル向上」に向きがちなのではないかと思います。自分自身にベクトルを向けること自体はとても素晴らしいことですし、それをぜひエンジンにしていただきたいと思っているのですが、一方で、年を重ねると、自己成長だけにフォーカスすることに物足りなさを感じ始める傾向があるのではとおもっています。
山本さん
例えば、皆さんの身の回りの人の中にも、子供ができ、親になったことがきっかけで、「次世代のためにより良い社会を作りたい。そしてより良い社会につながることを実感できるお仕事がしたい」と思い始めた方はいらっしゃるのではないでしょうか? これは、ライフスタイルが変化することで、マズローの6段階欲求の中でも「生存の欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」のような、より人間にとって必要不可欠なものを重視するようになるからではないかな、と個人的には考えております。
山本さん
正直なところ、今のままで各企業が自社の成長だけに焦点を当て続けていると、 我々の子ども世代・孫世代によい日本・よい世界・よい地球を残すことはできないのではないか、ということは薄々感じている人が多いと思います。そんな中で、キリングループやKBSのように社会課題とビジネスを結びつけているような会社で働くことが、多くの人にとって重要視されはじめているのではないかと思います。

愛する商品に囲まれながらよろこびを創造する

インタビュアー
CSV重視の姿勢は採用にも影響しているのでしょうか?
山本さん
ポジティブに影響していると感じています。 特に新卒採用においては、学生さんより、KBSとしてCSVに対してどの様な取り組みを行っているかを聞かれることがあり、相応に採用のブランディングにもなっていることを感じています。KBSは基本的にキリングループの方針に則り、サプライヤー行動規範をきちんと遵守し、グループ社員に対する理念の浸透活動を行っていますが、先ほど述べた物流業界の課題解決など、実際に社会課題に紐づいたシステム開発ができる点は魅力に感じていただけているのではないかと思っています。
山本さん
また、実際にKBSで働いている社員からは、キリングループの事業会社と一緒にお仕事をする中で、キリンの商品に対する愛に満ちた人たちに囲まれて仕事できることが嬉しいという声が上がっています。他にも、キリングループの商品が好きなKBS社員からは、愛する商品の営業活動やそのバリューチェーン全体をシステム開発を通して支えることができているのがやりがいにつながっていると聞きました。
山本さん
キリンの商品は人々の一生において触れる回数や影響度合いがとても大きいことが特徴です。 おこがましい表現になってしまうかもしれませんが、おそらくこのインタビューを読んでくださっている人の中で、キリングループの商品を飲んだことがないという人は、なかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?この表現がオーバーではないくらい、キリンのブランドはおかげさまでたくさんの人から愛していただけているのではないかと思っています。
山本さん
キリングループの従業員についても例外ではなく、キリンの商品が好きな人がとても多いです。 商品を作るのも消費するのも自分たち、という構図は仕事においてなかなか作ることができないと思うのですが、キリンでグループあればそれが可能です。仕事の内容に感情移入をすることも多く、仕事が生活に密着しているありがたみを感じることはとても多いですね。
山本さん
さらに、キリンの商品の場合は、衣食住の一部を扱っており、水分補給を全くせずに1日を過ごせる人はなかなかいないことから、従業員自身も自社の商品に頻度高く触れることができますし、従業員以外の誰かがキリンの商品を飲んでいる機会を目にすることもかなり多いです。
山本さん
1日の終わりに飲むビールが美味しいだけで救われることってあるじゃないですか(笑) キリングループでお仕事するということは、毎日誰かを笑顔にすること、といっても過言ではないかなと思っています。
山本さん
よろこびを創造する企業になるというのがキリンのビジョンですが、システム開発を通して喜びの創造を支えることができていること、そして、ユーザーであり一緒に仕事をしているキリングループ内の事業会社も含めてを働く仲間全員が同じ方向をみている環境というのは、とても恵まれていると改めて感じています。

ENTRY

談笑するメンバー 談笑するメンバー